田吾作な日々。

ヤマ無し オチ無し イミ無し。

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Elemental Sphere興奮英訳するとこうなりました。

理想卿にインスパイヤされたので書いて見ました。
エレメンタルスフィアの自キャラ、シン=サラン・バトバヤルのSSです。

理想卿の物は色々滲み出ていましたが、こっちは多分搾り出しても何も出ないです。
そんな駄文ですが、宜しければどぞ。無駄に長いです。


赤、赤、赤。
怒号。悲鳴。剣戟。断末魔。
絵に描いた様な落城の様相を呈した一室で、一組の男女が睨み合っていた。

「…では、どうしても俺を受け入れるつもりはないと言うのだな?」
「くどい!!我が身を何と心得る!?
誇り高き戦士バトバヤルが長子、シン=サランぞ!!

…ええい下がれ!!下がりおれ下郎が!!」


ギリ、と憤怒の歯軋り一つ。
男の右手には今まさに血を吸ったばかりの刀が納まっていた。
阿修羅の如き出で立ちに怯む事無く、女はさらに言い立てる。

「何故じゃ…何故、この様な非道を!?
そなたは父の…王の道に賛同してくれたのでは無かったのか!?」
「お前こそ忘れたのか、サラン!!我ら、この砂の海を彷徨う者の唯一にして絶対の理を!!」


流浪の民。彼らを一言で言い表すならば其れであろう。
砂漠に定住し、精霊の助けを借りて様々な物を生み出す砂漠の民とは異なり、
一所に留まる事無く彷徨う者たち。
旅なれた者ですら危険な砂漠越えを容易にこなし、
その異能ゆえに古来より隊商などの水先案内人として珍重されている。
その反面、カモと見ればたちまち身包み剥いで砂漠に捨ててゆく狡猾さも持ち合わせている。
そんな彼らが信奉するのは力のみ、と言うのは至極自然な事であろう。

「『殺してでも奪い取る』…か。その様な事、下郎に言われずとも分かっておるわ…だからこそ!!我が父は我ら流浪の民に王の道を示そうとしたのではないか!!力で築く覇道では無く、徳で築く王道を!!」
「笑わせるな…現にいま、こうして王は覇に敗れたでは無いか!!だからサラン、お前も…!!」
「くどい、と言うのが聞こえなんだか下郎!!…ふん。ならば今すぐ、力ずくでも妾を奪ってみれば良かろう。無論、その前に舌噛み切ってやるがのぅ!!」
「サラン、俺は…!!」
「出来ぬであろうが!!ならば殺せ!!さあ!!我が父を刺した様に…さあ!!
…弟や妹たちが今ごろ味わっているであろう塗炭の苦しみを思えば…」


血が滲むほどに唇を噛み締める。
男は皆殺し、女は慰み物。実に分かりやすい、力の定理。
むしろ、この男の様に逡巡する方が珍しい。

「俺は…お前に、受け入れて貰いたくて…!!」
「…何故じゃ…何故、拳を振り上げる前にその優しさで考えられなんだ!?
精霊か…精霊の狂いが、そなたを惑わせたのか…!?」


昨今の精霊が、ただならぬ動きを示していたのは事実であった。

「惑わされたのは、王の…バトバヤルの方であろうが!!」
「違う!!我が父は、我が父こそは、精霊の狂いに惑わされる人々を導こうと…」
「もう、もういい…この思い受け入れられないのなら…!!」


振り上げられた刃がぎら、と光る。
いよいよか…と観念する女の耳に響いたのは意外にも刀が床を削る音であった。



「失せろ…何処へなりとも、俺の目の届かぬところに…!!」








「…とまあ、こう言うおハナシらしいッスよ」
「ふ~ん。で。アンタがその子孫だかって言うの?」

はあ、と自信無さそうに頷く毛玉。
もとい、少女の名は伝承と同じシン=サラン・バトバヤル。ドワーフ族の戦士である。
強(こわ)い体毛に覆われた、ずんぐりむっくりの体をちょこんと椅子に乗せている。
もこもこの髭を可愛らしく三つ編みにしている所は、女の子らしいと言えなくも無い。

「なんつーか、眉唾だよねえ…大体それって何年前の話よ?」
「何でも、そのサランさんは死ぬ時にこう言い遺したそうッス。
『七代後に生まれ変わり、再び業を成す』と」
「んじゃ、アンタで七代目?」
「いや、七代目は特に何もしなかったッス。ただ、その言い伝えとやらに夢中になって…ちなみにそれが自分の婆ちゃんッス」
「え~と、じゃあ…ひのふの…ダメだ。玄孫(やしゃご)じゃ効かないだろそれ」
「はいッス。そもそもの根拠が胡散臭い家伝書か何かッスから…」

たまたま其れを見つけた祖母が、逆算して自分が七代目に当たる事を知り、大騒ぎしたのだと言う。

「え、じゃあ何。アンタってばホントに伝承の旅なわけ?」
「いえ、そう言ってるのは婆ちゃんだけッス。自分は、普通に成人の通過儀礼で…」
「ああ、『齢十六の旅立ち』って奴か。何だ、つまんねーの」
「さっき眉唾って言ったのはクラフトさんじゃ無いッスか…」

ああ、そうだっけ?悪い悪い、と悪びれもせずに言い放つ。
つやつやとした黒髪に、琥珀色の双眸が何とも涼やかな青年だ。
クラフト・ベルン。シャーマン見習いである。
サランとは駆け出し同士、ふとしたきっかけから共に旅をしている。

「じゃ、あれか。自分の孫に我が夢を託した、ってトコか」
「はた迷惑もいいトコッス…完全に名前負けッスよ」
「砂漠っても広いからなー。そう言う連中が今でも戦国時代やってるって噂は聞いた事あるけど、俺らとは完全に没交渉だし」
「自分の故郷(くに)も、平和なモンッスよ…婆ちゃんは落人の末裔だ、とかって五月蝿いッスけど」
「精霊の乱れが争いの元になる…ってのはちょっと気になるけどな。今もそうだし。
…ま、とりあえず…」

分かった事がひとつある。そう言うと、クラフトは得意げに指を立てた。
要領を得ないサランに、目の前の皿を示してみせる。

「アンタが話してると、俺の腹が膨れる」
「…え?あ゛ー!!これ、取っておいたのにぃぃ…酷い、酷すぎるッス!?
返すッス!!出すッス!!戻すッスうぅぅ!!」

ギリギリギリギリ。

「うぐえぇぇ…ひ、髭がゴリゴリして気持ち悪いぃ…ギブ、ギブギブっ!!」
「うわーん!!鬼ッス、悪魔ッス!!人でなしッスうぅぅ!!」

ギリギリギリギリギリギリギリ。

一般的にドワーフの力は、人間のそれを大きく上回る。
少女とは言え、サランもその端くれである。その力で締め上げれば、当然…

「いや…ちょ…ま…!!ごぼごぼ…」
「お~い、お客さん泡吹いてるよ~」

戦士バトバヤルの裔(?)、シン=サラン。
ベルンのシャーマン見習い、クラフト。
彼らにはまだまだたくさんの出会いが待っているが、それはまた、別の話。





「謝罪と賠償を要求するッスうぅぅ~!!うわーん!!」
「こ、師父(コーチ)…俺、もうダメかも…」
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Encounter

 田吾作さんが自分にインスパイアして小説を書かれたようで。で、クラフト君を無断で登場させられたので、こちらも半ば無断でサランちゃんを出して見ました。後悔は(ry) 何

  • 2006/02/17(金) 05:20:56 |
  • Harem of Nine Sisters
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田吾作
  • Author: 田吾作
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