田吾作な日々。

ヤマ無し オチ無し イミ無し。

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あんまり嬉しかったので、カイちゃいました。
追記で読めます。こっちこっちでも読めます。

最近、露悪趣味が過ぎると言う自覚はあるんです。いやホント。


「…また、やっちゃったのかい」

悪い、癖だ。
諦めの色が強いため息と共に、男がこぼす。

「えー、だってー」

しょうがないじゃーん。
けろりと返す言葉には、反省の色など微塵も無い。


やり取りだけは、子供の粗相を大人が咎めているかの様である。
いや、実際に彼らはその程度の認識なのだろう。
この国に於いて、同じような考えを持つ人間は珍しくも無い。


だが、やはり異常と呼ぶべきであろう。

半裸の少女。
小さな手に不釣合いな拳銃。
頭を撃ち抜かれた男の死体。

この部屋に点在する要素を組み合わせて、
「常識」に照らし合わせれば、やはり「異常」と呼ぶ他無いのである。



「『友達』?『彼氏』?…いや、『お客様』かな」
「あったりー♪それだけはイヤだ、って最初っから言ってんのにさァ。
手袋取ろうとするんだもん!このロリペド野郎…ペッ!」

ひらひらと手を振ってみせる。
一糸纏わぬ色白の体に、より一層際立つ白い手袋。
あざとくも蟲惑なそれに、男の喉がぐびりと動いた。

「ん?なになに、興奮しちゃった?
いーよー、アンタならタダで。お世話なってるし」
「…いや。いいんだ、僕はそう言うんじゃない」
「あはっ♪じゃあ、どー言うのよ…っ!?」


がたっ、がたたたっ!!
がっ、ばたーん!!


戻していた撃鉄を再び引き起こし、侵入者に銃口を向ける。
瞬間、ライトの逆光に目が眩んだ。これでは、当たらない!
構うものか、とばかりに全弾を盲撃ちでぶち込む。


「…やれやれ。随分ナお出迎え、デスね」
「ミス・ミカエラ!ご無事か!?」

大丈夫、とその侵入者は背後に告げた。
どうやら一人では無いらしい…だが、後ろ手に扉を閉めてしまった。

「(どう言うこと…なに、コイツ?)」

視力が戻った目で見れば、女である。
ぴったりとした黒い衣装に、これまた浅黒い肌を包んでいる。
女はサングラスを外すと、何やら書類を取り出して読み始めた。

「ザジ・ザ・レティクル。本名モモコ・キクチ。
1989年11月16日生まれ。国籍、ジャパン…アラ。アナタ、16歳ナのね」
「…何なの?」

ああ、と思い出した様に手を打つと、女は悠々とお辞儀をした。

「初めましテ。ミカエラ・バラン・瀬田ト申しマス。
今日はアナタを…スカウトしニ、参りまシタ♪」


ばきゅーん。


「帰れ」
「アラ釣れなイ」

ミカエラの頭上数センチに弾痕が刻まれる。
いつの間に弾倉を交換したか、少女の拳銃からは再び硝煙が立ち昇っていた。

「WEAだか何だか知らないけどさ、アタシは一人でやってけるから。
化け物退治なんか真っ平だってのに…アンタらもしつっこいわねえ。

…あんまグズグズしてっと、ポリも来ちゃうしさぁ。
今日のところはコレで帰ってよ、『おばさん』」

う~ん、と腕を組むミカエラ。
おばさん呼ばわりに腹を立てる風でも無かったが…


「なるべく、お仕事はスマートに済ませたイのダケド…」
「…動かないで。コレが最後よ、『帰って』」

まるで聞こえぬとばかりに歩み寄るミカエラ。
ザジは躊躇無く引き金を引いた。

引いた、のだが…

「動くな、って…えぇ!?」
「是非モ無シ…ね」


あり得ない。撃ち出された弾丸を避けるなど。
そう、「普通の」人間ならば…

「アンタ、アタシと同じっ…」
「遅い、遅い、遅い、遅い!!」


がっっっっっっ!!!!!!!


瞬間、ザジは壁に叩き付けられていた。
体勢を整える暇も与えられず、そのまま腕一本で吊り上げられる。

「か、は…ひゅーっ…!!」

いくら身軽な少女相手とは言え、尋常な膂力では無い。
かくて、この部屋の「異常」を決定付ける最後の要素が追加された。

ミカエラの背に生じた漆黒の翼…獣人の証である。


「彼我の力量差モ見極められナイ!

獣人としての能力(タレント)も使えズ、半獣化とテ使いこナせず…

挙句、銃弾ガ尽きテはロクに戦うコトすら出来ナイ!」


ぎりぎり、ぎちぎち。


「ブザマ、ね…恥を知りなサイ」


緑の瞳で覗き込み、告げた。
片手でやすやすと抵抗を抑え込み、絞めあげを強くする。


「あぐっ…うぅぅ…!!」


苦しい。息が出来ない。
そんな当たり前の苦痛とは別に、ザジの脳裏に訴えかける「異常」な感覚。

(なに、これ…?何か…なんだか…)

すうっと気が遠くなるような。酸欠の意識喪失とは違う、これは…

(気持ち、いい…?)


その表情の変化を、ミカエラは見逃さなかった。

「んフ…そろそろ、かしらネ♪」

ぽってりした唇を、艶然と微笑ませ…ザジを「抱きしめた」。
ここで初めて両の腕を広げ、その体重を軽く支えとめる。
漆黒の翼と相まって、その様子はさながらある種の捕食行為の体である。

「なんだろ、コレって…」

接触が密になるに連れ、あの感覚はいや増すばかりだった。

なんだっけ。快楽と引き換えに奪われる精気。
なんだっけ。蝙蝠の翼。並外れた膂力。
なんだっけ。恍惚の脳裏に思い浮かぶのは、そう…

「…ソウ。ワタシは、VAMP(ヴァンプ)」

口元に光るのは、ああ、あれは…牙だ。
目前に居るのは、まごうこと無き現代の吸血鬼(ヴァンプ)。夜の眷属。
それに気づいた時には、既に白いうなじが晒されていた。


「幸せヲカみしめテ…しになサイ。」





その夜ザジが得た物は、みっつ。
死への恐怖と、快楽。そして…










『そして…』何だ、ってハナシですよね。
そして少年は剣を、ですかね。まだ聞いてませんけど。
ミカ姉様は何処から何処までカタカナにすればいいか判断が難しかったです。
タイムリーにも「牙」を習得されたそうなので、使わせて貰いました。
冒頭の思わせぶりな男は特に何も考えてまてん。誰だろうこの人。

いやー、ほんっと、吸血鬼っていいもんですね!
(水野晴郎風に)(ヘルシング1巻をめくりながら)(昇天)(エレクト)
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コメント

テラゲゲーダンwwwwww

何でそう裏ばっかりかきにきますか。

とりあえずタイトルだけ見て吹いたありがとう(再殺)。
他人にシーケンス使われると嬉しいですね。



それにしてもゲゲーダンはわかる人いるのでしょうか。


わからない人へ>瀬田の親父です。脳内設定の。
別ゲーのキャラの、しかもゲーム内で使っていた名前ではなく「本名」という脳内設定名。

こういう個人的なこだわりを他人に言及されるのは、嬉しすぎますね……。

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