田吾作な日々。

ヤマ無し オチ無し イミ無し。

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やっぱり本場のヒトはつけないのでしょうか。どきどき。

ただ、制服の仕様が(強制でないとは言え)アホみたいに深いスリットがデフォルトなので多分つけてます。
生まれは本場だけどメンタルは現代っ子、と言うアピールをしてみる。
湯文字とか腰巻って時代でも無いですしね。

もやもやと沸いて来たので一気に書いてしまいます。
こう言うのは沸いたらすぐ処理するのがいいですよね。
バトンとか普通のエントリはゆっくりと、また後で。


『悪人は、何故悪事を行うか。考えたことはおありで?』
『何でですのん?』
『悪いことだから、ですよ。』


正体の知れない悪寒に襲われて、いなりは思わず身をすくめた。
衣替えも近いこの時期、ただでさえ生温い湿気に包まれた立ち食いそば屋の店内である。蒸し暑いと言っていい。
にも関わらず、彼女の二の腕にはぷつぷつと鳥肌が立っている。
大好物のきつねうどんコロッケ乗せを前に、先日のやり取りを振り返っていた。

「ホンマ、けったいなお人やったわ」

苛立ち紛れに大判のコロッケを突き崩し、つゆを染み込ませて大口にかぶりつく。
口の周りが油でベトベトに汚れるけれど、構やしない。
醤油が断然勝る濃い口の塩辛さと、芋の甘さが混然とするこの瞬間こそ何にも変え難いモノだといなりは思う。
チープな幸せと笑うなかれ、である。

(最初はこない黒い黒いうどんつゆ、よう飲まんと思ったけど…)

高校入学と同時に故郷を後にしてから、1年と少しである。
すっかりこの味にも慣れて、と言うより気に入ってしまっていた。
年頃の女子高生の嗜好としては幾分脂ぎっているようにも思えるが、彼女は元来こうしたファストフードが大の好物である。
薄味と出汁の風味を以って是とする京都の水で生まれ育ってはいるが、いわゆる「いとはん」お嬢様と言う訳でも無い。
箸の上げ下ろしに始まる礼儀作法はそれなりに躾けられているが、買い食いや友達との寄り道すら許されない箱入り娘とまでは行かない…。
そのように色々な意味で恵まれた育ちに加えて、葛葉家一千年の適応力は伊達では無い、と言った所でもあろう。

『あなた、加藤保憲の血を引いてらっしゃるんですってね。』

「!!」

ぶるるるっ!

(あかんあかん、実家の事なんか考えるからまた思い出してもた。
それにしても、ホンマしょもない…)

そう、埒もない。益体もない話である。
あの男に己の血筋に関する噂を聞かされた時、いなりは本当にそう思ったのだ。
目前の怪しい男から真実を隠すためではなく、真実「そう思った」。心から。

自分がかの魔人の血を引いているなど聞いた事も無いし、先祖に葛ノ葉狐がいる訳もない。
冗談めかして母親に聞いてみたこともあるけれど、母も同じように笑って母子手帳を見せてもくれた。
そこには特に何の問題も無く、健康な母体から健康な女児が分娩された、と確かに記録されていたのだから。


そう。全ては「ハッタリ」なのだ。


自身は、ちょっと特殊な力を持った人間に過ぎない。
化け物の血を引いた人外など、そんな訳は無い。
あの扮装とて、ただの趣味に過ぎない。


確かに、葛葉の家は歴史が古い。
古すぎて起源が分からないくらいだ。
そして、一般の人間には見えない物が見え、触れられない物に触れられる。
代々、そう言った物から都を守るお役目に就いている事も知っている。
でも、ただそれだけなのだ。言ってみれば、記録に残らない公務員である。

・顔が狐じみている。
→ただ単に、目が細いだけだ。
・先祖代々、犬が苦手。
→親もその親も苦手なら、子供もその子も苦手になるだろう。
・母も祖母も曾祖母も、皆そっくりである。
→血が繋がっているのだから、当たり前だ。
・長子に生まれるのは必ず女児で、その子が家を相続する。
→そう言う遺伝の家系で、そう言う伝統なんだもの。

そう、ハッタリ。全てはハッタリである。
ちょっと顔をしかめて、もしくは笑顔のままで、「いややわ」と言ってやるだけ。
誰も「そう」とも言わないし「違う」とも言っていない。
それに接した人間が、勝手に想像を逞しくしているだけだ。


……母もそうだった。
母子手帳を見せるだけで、「そう」だとも「違う」とも言ってはくれなかった。
笑って誤魔化すだけだ。自分そっくりの顔で。
母は真実を知っているのだろうか。もしかして、母もまだ知らないのでは無いだろうか。
それなら祖母?
それとも曾祖母?
本家の座敷に床をのべて、寝たきりと聞く曾々祖母?
そのさらに奥の座敷に寝たきりと言う話の曾々々祖母?
そのさらにさらに奥の座敷に寝たきりと言う噂の曾々々々祖母?
そのさらにさらにさらに……


そうなのだ。本家の奥座敷は、全くの未知の領域。
母も、ひょっとしたら祖母も立ち入りを許されていない。
自分もいつか、そこに行くのだろうか。そして、真実を知るのだろうか。
……いや、そんな訳は無い。きっとこれは、先祖ぐるみの処世術に違いない。
王都を人外から守ると言う使命に於いて、その地位を確固たる物とし、事情を知らぬ余人には「超然たるナニか」を感じさせるための言わば「千年のハッタリ」
きっとそうなのだ。名も顔も知らぬ葛葉の祖は、きっと大変に狡賢い奴だったに違いない。
己の技術を根拠に、それ以上の物を周囲に見せつけ、果ては自分の子々孫々に至るまでハッタリにかけた。
そう、まるで狐が人を化かすように。

きっと、大人になれば分かる。
然るべき時が来れば分かる。そうに違いない。


『悪人は、何故悪事を行うか。考えたことはおありで?』
『何でですのん?』
『悪いことだから、ですよ。』


ぞくぞくぞくっ!!

『悪いことだからしないのと同じ理屈で、彼らは悪いことをする。』
『……理解できませんな。』


そう。分からない。
ホントかどうか、分からない。
嘘か真か、分からない。
「どうしてそんな使命を後生大事に務めているの?」分からない。

理解らない。ワカラナイ。

ああ、もしかして。そんな事は無いはずだけど。
祖母も曾祖母も曾々祖母も曾々々祖母も、皆分からないのでは無いか。
一族ぐるみで、ずうっと化かされ続けているのでは無いか。
千年のハッタリをかまし続け、かまされ続ける。
いつか自分にも真実が分かる、きっとそのうち…と心中に願いながら、生涯かけて周囲を化かし続ける。
そして、その死の瞬間に悟るのだ。自分もまた、遠大な術中に囚われた一人に過ぎなかったと。


「ああ、そうか」


そうなのだ。
あの男の笑み、あの嘘寒い空虚な感じは…

あの果てしない奥座敷と似ているのだ。

襖を何枚こじ開けようと、何代遡ろうと、決して理解らないその虚無の空間。
あれに似ているのだ。あの感じなのだ。

だからきっと。
あの男は、相容れない「敵」なのだ。
正体が割れれば、幻滅するべき「敵」なのだ。
この身が人であれば、尚のこと許して置けない「敵」なのだ。


でも。
その嫌悪感と同じくらい何処か惹かれてしまったのは、なぜだr

「そんな筈あらへんっ!!」

七味どばあー。

「ふわあ、蓋がー!?やってもたー!!」




馴染みのおいちゃんに「お願い」して、取り替えて貰ったとさ。
どっとはらい。










長えEEEEEEEEEEE!!!!!!

えーと。自分の中でも正解は考えてません。
お好きな方でご想像下さい。
本当に化け物の血筋かもしれないし、ハッタリの家系かもしれない。
「おまえ達みたいなクソガキがな 好き勝手絶頂に暴れられると困るんだよ
倍々ゲームで人間なんぞ すぐ絶滅して共倒れだぞ 先の見えんガキめ
それに俺には人間共には逆らえんのだ イロイロと込み入った事情でな」

かもしれないし、そうじゃないかもしれない。

もしくは4部のミキタカ君みたいなモノです。
ホントに宇宙人かもしれないし、ただのスタンド使いかもしれないみたいな。
ザ☆灰色エンド!!
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コメント

やってくれましたね。

うわあ、タイトルに非常にぞくぞくします。

やられた、やられました。
まさか拾われるとは。

ハッタリ、とは、多分、
メッセでもちょっとお話をしたアレ、ですね?
『鳩の東京怪談のキャラの最終奥義は実は【ハッタリ】』というあの話。

でも凄く深遠な話に昇華されていて驚きです。
真実の薄皮を一枚めくれば、それこそそこには幻滅するような現実があるのかもしれない。

日々生きていくことって、もしかしたらそんな歩かないかもわからないものを信じさせられつづけることなのかもしれない。

そんな、薄ら寒い感覚が。




あとSS結社って凄いと思った。

ごめん

燃えた。
燃えに燃えた。燃えも燃えすぎて燃え萌えた。
( ・3・)あるぇー?
それはそうとして長文実にお疲れ様でした。
こういう文章を書けるようになってみたいものだ……
と思った15の夜。
いや、今朝ですけどね。

  • 2007/06/09(土) 13:07:37 |
  • URL |
  • 鳳凰堂の中の人 #-
  • [編集]
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  • Author: 田吾作
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